
フリーランスの単価交渉|切り出す5つのタイミングとメール例文
「フリーランスの単価交渉って、どう切り出せばいいの?」
「言ったら契約を切られそうで、ずっと言い出せない」
こういった疑問に答える記事です。
この記事でわかることは以下のとおりです。
単価交渉を切り出す5つのタイミング
交渉の前にそろえておく5つの材料
そのまま使えるケース別のメール例文
交渉せずに単価を上げる3つの方法
断られたときにできる4つの対処法
単価交渉が通るかは、金額の伝え方より先に、どんな材料を手元に用意できているかで決まります。
強気の姿勢ではなく、相手に残した成果を数字で伝えられる準備が単価を動かします。
とはいえ、これまで一度も交渉したことがなければ、切り出すだけでも勇気がいりますよね?
この記事を読むことで、いつ・何を根拠に・どんな文面で伝えればいいのかがわかります。
次の契約更新までに準備を始めていきましょう。
フリーランスの単価交渉は黙っていると始まらない
フリーランスの単価は、仕事を受けるときのやり取りで決まり、そのあと自動で見直される仕組みはありません。
単価の相談は言い出しにくいものですが、国の資料でも報酬の額は当事者どうしで話し合って決めるものとされています。
フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス新法)は、令和6年11月1日に施行されました。
公正取引委員会が公開しているパンフレットの16ページには「報酬の額は、フリーランスとしっかり協議して定めることが重要です」と書かれています。

まずは、単価が据え置かれる仕組みから見ていきましょう。
単価は交渉しない限り受注時のまま据え置かれる
フリーランスの単価は、こちらから相談しない限り受注したときの金額のまま続きます。
会社員の昇給と違い、発注する側に外部へ支払う報酬を定期的に見直す仕組みがあるとは限りません。
作業量が増えても金額が変わらないまま、1年、2年と続くケースもあります。
何もしない場合と交渉した場合の違いを以下にまとめました。
何もしない場合 | 交渉した場合 |
|---|---|
受注時の単価がそのまま継続 | 次の契約から新しい単価を適用 |
作業が増えても報酬は横ばい | 作業が増えた範囲を報酬に反映 |
条件を確かめないまま契約を更新 | 相手の予算や事情を聞いたうえで更新 |
交渉しなければ、発注する側には今の条件で問題ないと受け取られる場合もあります。
単価が上がるきっかけは、こちらから切り出す相談のほうにあります。
最初の単価は低いところから始まりやすい
実績がまだ少ないうちに低い単価から始まるのは、フリーランスによくあることです。
最初の単価が低くなりやすい事情を以下にまとめました。
実績が少なく品質を判断されにくい
相場を知らないまま金額を承諾する
断られるのが怖くて低めに提示する
例えば、経理の仕事をしながら動画編集の副業を始めたminaさんが最初に受けた案件は、完成した動画の長さ(完成尺)が約20分で2,000円だったそうです。

※minaさんの2,000円は1つの実例で、相場を表すものではありません。
参考:受講中に初案件を受注、副業でも半年で月5万円稼げるように!
複業フリーランスとして活動する高千穂香織さんも「最初はみんな、報酬が安いし大変だったからもうやめようって方も多いんですよ」と話しています。

最初の金額に引け目を感じる必要はなく、仕事を続けるうちに単価を見直す相談もできるようになります。
参考記事:Webライターが稼げない3つの理由と収入アップの7つの対策
交渉が通るかは相手に残した成果で決まる
単価の相談が通るかは、これまでの仕事で相手にどんな成果を残せたかで決まります。
発注する側は、支払う金額が上がっても見合う結果が返ってくるかを見て判断するケースが多いです。
自分側の事情だけを並べても、単価を見直す理由として受け取ってもらいにくいでしょう。
職種ごとに、相手に残せる成果の例を以下にまとめました。
職種 | 相手に残せる成果の例 |
|---|---|
Webライター | 検索から読まれる記事が増えた |
動画編集 | 動画の再生が伸び、手直しの回数も減った |
デザイナー | バナー経由で問い合わせが入るようになった |
エンジニア | 手作業だった処理が自動で回るようになった |
成果は数字で語れるものだけでなく、修正の回数が減った・任せられる範囲が広がったといった変化も含まれます。
相手に残した成果を伝えられる状態を作ってから切り出すと、単価の相談は前に進みやすいでしょう。
フリーランスが単価交渉する前に準備すること
単価交渉は、切り出す前にどれだけ材料をそろえられたかで結果が決まります。
単価交渉する前に準備することは以下の5つです。
成果を数値にして一覧にまとめる
職種ごとの単価相場を調べて自分の位置を知る
引き受けられる下限の単価を先に決める
納期を前倒しして信頼を積んでおく
同じ職種の人に実際の単価を聞いてみる
材料がそろっていれば、希望する金額の根拠を自分の言葉で伝えられるでしょう。
準備の中身を順番に確認していきます。
成果を数値にして一覧にまとめる
これまでの仕事の成果は、数値にして一覧にまとめておきましょう。
金額の希望だけを伝えても、相手には社内で判断するための材料がありません。
書き出す項目と書き方の例を以下にまとめました。
書き出す項目 | 書き方の例 |
|---|---|
納品した数 | 月◯本を◯ヶ月、累計◯本納品 |
継続している期間 | 2024年◯月から現在まで継続 |
成果の変化 | 担当記事の検索順位が◯位から◯位へ |
任されている範囲 | 執筆に加えて構成と入稿まで担当 |
数字が思い出せない項目は、納品データやメールの履歴をさかのぼって埋めていきましょう。
1年分をまとめて振り返るより、月に一度その月の数字を書き足すほうが手間もかかりません。
数字の並んだ一覧があれば、交渉の場でそのまま使えます。
職種ごとの単価相場を調べて自分の位置を知る
希望する金額に根拠をもたせるには、職種ごとの相場を調べて自分の位置を確かめます。
相場を知らないまま金額を出すと、低く見積もりすぎたり、相手の予算とかけ離れた額を出したりします。
クラウドワークスが公開している発注相場は以下のとおりです。
職種 | 相場 | 単位 |
|---|---|---|
記事・Webコンテンツ作成 | 1円〜 | 1文字あたり |
リライト・校正・編集 | 3,000円〜 | 1記事あたり |
バナー作成 | 5,000円〜 | 1件あたり |
ロゴ作成 | 30,000円〜 | 1件あたり |
YouTube動画編集 | 8,000円〜 | 1本あたり |
TikTok・ショート動画 | 3,000円〜 | 1本あたり |
Webデザイン | 50,000円〜 | 1ページあたり |
ワードプレス制作 | 100,000円〜 | 1件あたり |
発注相場は依頼する側が支払う金額です。
例えばクラウドソーシングで仕事を受ける場合は、ここからシステム利用料を引いた額が手元に残ります。
参考記事:クラウドワークスの手数料の計算方法|受取金額の早見表と単価設定のコツ【2026年版】
参考:クラウドワークス発注相場
単位は職種によって違うので、1文字あたりなのか1本あたりなのかを確認してから比べてみてください。
知人からの紹介や、間に人が入って条件を調整する受け方、直接契約の金額は別に動くため、表は目安の1つとして見ます。
自分の単価が相場のどのあたりにあるかがわかると、交渉で出す金額を決めやすくなります。
引き受けられる下限の単価を先に決める
引き受けられる下限の単価は、交渉を始める前に決めておきます。
下限があいまいなままだと、相手から出された金額にその場で合わせてしまいがちです。
1ヶ月に働ける時間を80時間、必要な月収を24万円、経費を月2万円と置いた場合の計算を以下にまとめました。
項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
必要な月収 | 生活費と貯金の合計 | 240,000円 |
月の経費 | 通信費・ツール代・機材の積立 | 20,000円 |
月に必要な売上 | 240,000+20,000 | 260,000円 |
月に働ける時間 | 平日3時間×20日+休日5時間×4日 | 80時間 |
下限の時間単価 | 260,000÷80 | 3,250円 |
※金額はあくまで計算の例で、税金や社会保険料は含めていません。
数字は自分の生活費と稼働時間に置き換えて、もう一度計算してみてください。
案件ごとの単価も、かかった時間で割って時間あたりに直すと、下限と並べて比べられます。
下限が決まっていれば、提示された金額にその場で答えを返せるはずです。
納期を前倒しして信頼を積んでおく
納期より早く納品を重ねておくのも、交渉の前にできる準備です。
単価の相談は、仕事の進め方に安心してもらえている相手ほど、落ち着いて受け止めてもらいやすいです。

クラウドタウン会員で動画編集者・カメラマンの小野翼さんは、納品までの速さを次のように話しています。
「1週間かかると言われた仕事を2〜3日で納品するなど、絶対に遅れないことを軸に置きつつ、できるだけ早く納品していますね。」
クラウドタウン会員でライターの副島かよこさんも、締め切りを自分の中で前倒ししているそうです。

「締め切りの1日前を締め切りだと思い、締め切り日よりも前に納品を心がけています。」
職種の違う2人が、どちらも同じように納期より前の納品を続けています。
早さそのものよりも、約束した日を割らない積み重ねが相手の安心につながります。
納期を守ってきた記録は、単価の相談を切り出すときの後押しになるでしょう。
参考:小野翼さん会員インタビュー/副島かよこさん会員インタビュー
同じ職種の人に実際の単価を聞いてみる
実際にいくらで受けているかは、同じ職種の人に聞いてみるとわかります。
単価は表に出にくい情報で、検索して見つかるのは募集時に書かれた金額までです。
聞き方の例は以下のとおりです。
同じ作業量の案件で受けている単価
単価が上がったときの切り出し方
引き受けている作業の範囲と納品数
交渉を断られたあとに変えた条件
金額をそのまま聞きにくいときは、自分の単価を先に伝えると相手も答えやすくなります。
同じ立場の人から聞いた金額でこそ、相場表だけではわからない自分の位置がつかめます。
参考記事:フリーランスにおすすめのコミュニティ16選!後悔しない選び方も解説
フリーランスが単価交渉を切り出す5つのタイミング
単価交渉は、切り出す時期によって通りやすさが違います。
交渉を持ちかけやすいタイミングは以下の5つです。
契約を更新するとき
任される業務の範囲が広がったとき
成果が数字で出た直後
決算前後の予算を組む時期
職種の相場が上がったとき
いずれも、相手にも単価を見直す理由があるタイミングです。
順に見ていきましょう。
1. 契約を更新するとき
契約の更新時は、単価交渉を切り出しやすいタイミングです。
更新のたびに条件を確認する場面があるので、金額の話を持ち出しても唐突になりません。
更新の連絡に合わせて伝えられる材料を以下にまとめました。
前回の契約から納品した本数
相手から受けた修正の減り方
次の期間に対応できる本数
例えば動画編集で半年ごとに契約を結んでいる場合は、更新月の1ヶ月前に連絡すると相手も社内で調整しやすいです。
更新の時期が決まっていない都度の依頼なら、◯本を納品したときや稼働を始めて3ヶ月が経ったときを区切りにしてみてください。
どちらの場合も、区切りの時期に伝えておくと次の依頼から新しい単価で受けられる見込みが立ちます。
2. 任される業務の範囲が広がったとき
受注したときより任される作業が増えたときも、単価の見直しを相談しやすいです。
最初の契約で決めた範囲と今の作業量に差があるので、金額を見直す理由も伝えやすいです。
増えた範囲を伝えるときは、次の3つを書き出しておきましょう。
契約時になかった作業の名前
1本あたりで増えた作業時間
自分が引き受けて減った相手の手間
例えばWebライターの場合、執筆だけだった契約に画像の選定とワードプレスへの入稿が加わるケースがあります。
ワードプレスは、ブログやWebサイトを作って更新できるシステムです。
2つの作業が増えた分は、そのまま単価を上げる理由になるでしょう。
範囲が広がった時点で伝えておけば、あとからさかのぼって説明せずに済みます。
3. 成果が数字で出た直後
相手の売上や問い合わせにつながった数字が出た直後は、交渉が通りやすい時期です。
成果が出てから時間が経つと、相手の記憶にも残りにくいです。
以下のような数字が材料になります。
検索順位が上がった記事の本数
投稿した動画の再生数の変化
問い合わせや申し込みの増加数
例えばデザインの案件では、作り直したバナーのクリック率が伸びた月のうちに連絡します。
数字が新しいうちに切り出すと、相手も成果を思い出しながら検討しやすいでしょう。
4. 決算前後の予算を組む時期
発注する会社が決算を迎える前後も、単価の話を切り出せるタイミングです。
次の期にいくら使うかを決める時期にあたるので、外注費の枠に新しい単価を入れてもらいやすいです。
クラウドタウン会員でAI×SEOディレクター・編集長の佐藤誠一さんも、決算の前後は予算を組むタイミングにあたると話しています。

実際に、この時期に持ちかけた単価交渉がうまくいったそうです。
決算前にそろえておきたい材料は以下のとおりです。
新しい単価で計算した1年分の費用
次の期に対応できる本数の上限
今の単価で続けた場合との差額
ホームページなどで相手の決算月を確認しておけば、予算が固まる前に相談を持ちかけられるでしょう。
5. 職種の相場が上がったとき
同じ職種の募集単価が上がってきた時期も、単価交渉を相談しやすいタイミングです。
募集される単価の水準が動くと、発注する側も外注費を見直す時期に入ります。
相場の変化を伝えるときに使える材料は以下のとおりです。
同じ職種で募集される単価の動き
相場に対する自分の単価の位置
新しく身につけた作業や技術
例えばエンジニアやデザイナーの募集条件は、案件のジャンルや使う技術によって変わっていきます。
クラウドソーシングで仕事を受ける場合は、同じ職種の募集を定期的に見ておくと単価の動きに気づけます。
相場が動いた時期に合わせて相談すると、自分の都合だけで単価の見直しを求める話になりません。
フリーランスの単価交渉を成功させるコツ
単価交渉は、切り出すタイミングと同じくらい伝え方で結果が決まります。
値上げではなく提案として伝える
希望額は下限より少し高めに提示する
相手が社内で通しやすい理由を添える
選べるように2〜3の案を並べる
どれも相手との関係を続けながら単価を上げていくための伝え方です。
準備した材料をどう届けるかを見ていきます。
値上げではなく提案として伝える
単価の相談は、金額の要求ではなく仕事の提案として伝えると受け取ってもらいやすいです。
金額だけを切り出すと、相手は支払いが増える話としてだけ受け止めます。
これから何をどこまで担当するのかを添えると、支払う額と受け取る成果を並べて検討してもらえます。
おすすめしない伝え方と、提案として伝える言い方は以下のとおりです。
おすすめしない伝え方 | 提案として伝える言い方 |
|---|---|
単価を上げてほしい | 対応する範囲を広げた条件で見直したい |
生活が苦しいので上げてほしい | 増えた作業量を次の契約に反映したい |
他の案件より安い | 同じ品質で続けるための条件を相談したい |
いくらまで出せるか教えてほしい | 来期の条件をこちらから提案したい |
言い方を変えても、伝えている金額そのものは変わりません。
同じ金額を伝える場面でも、提案として組み立てると相手は検討しやすくなるでしょう。
希望額は下限より少し高めに提示する
下限より少し高めの額を先に伝えておくと、相手と折り合う余地が残ります。
下限ぴったりの額から始めると、少しでも下げられた時点で引き受けられない仕事になります。
提示する額と下限、その間の落としどころを並べると以下のとおりです。
提示する額 | 下限 | 落としどころ |
|---|---|---|
1文字2円 | 1文字1.5円 | 1文字1.8円 |
1本3万円 | 1本2.4万円 | 1本2.7万円 |
月18万円 | 月15万円 | 月16万円 |
※金額は考え方を伝えるための例で、相場そのものではありません。
準備の段階で決めた下限を手元に置いたうえで、少し上の額を伝えてみてください。
高めに出すのが不安なときは、あくまで相談として切り出すと角が立ちません。
「ご予算に合わなければ調整しますので、一度お考えを聞かせてください」と添えておけば、返事の幅も残ります。
少し高めから始めておくと、下限を割らずに単価交渉をまとめやすくなるでしょう。
相手が社内で通しやすい理由を添える
希望額には、担当者が社内で説明できる理由を添えましょう。
単価の変更は担当者だけで決められず、上長や経理の確認を通すケースが多いです。
クラウドタウン会員でデザイナーの森本洋至さんは、仕事の相手について次のように話しています。

「相手には相手の物差しがあるから。そこは尊重しないといけないと思っているんです。」
発注する側にも予算の枠や社内の決まりがあり、担当者は限られた枠の中で返事を組み立てます。
社内で通りやすい理由の型は以下のとおりです。
問い合わせや売上が増えた時期と件数
前の契約から増えた作業の内訳
修正の回数が減った実績
次の期に任せられる範囲
数字と日付が入っていると、担当者はそのまま社内の資料に書き写せます。
理由を書くときは、社内で誰が金額を決めているかを先に聞いておくと良いでしょう。
選べるように2〜3の案を並べる
1つの金額だけを伝えるより、条件の違う案を2〜3つ並べるほうが返事をもらいやすいでしょう。
金額が1つだと、相手の返事は受けるか断るかの二択になります。
例えば動画編集の継続案件で、引き受ける範囲を変えた3案を並べると以下のとおりです。
案 | 単価 | 引き受ける範囲 |
|---|---|---|
A案 | 1本2.5万円 | 今までと同じ本数と修正回数 |
B案 | 1本2.2万円 | 修正は2回まで |
C案 | 1本2万円 | 本数を月4本までに調整 |
※金額は仮の数字で、動画編集の相場を表すものではありません。
案が分かれていると、相手は予算に合うものを選んで返事ができます。
金額の可否ではなく、どの案にするかの相談に変えられると、単価交渉は前に進みます。
ケース別に使える単価交渉のメール例文
ここからは、状況ごとにそのまま使える単価交渉のメール例文を紹介します。
成果を理由にするときは数字を先に書く
業務量が増えたときは増加分の作業を書き出す
契約更新のときは次期の条件として切り出す
相場との差を伝えるときは他社名を出さない
経費が増えたときは上がった分を具体的に書く
どれもテンプレートとしてそのまま使えるように載せているので、金額や作業名だけ自分の案件に差し替えてみてください。
交渉の内容は口頭ではなく文面で残しておくと、決まった条件をあとから双方で確認できます。
上から順に、近い状況のものを使ってみてください。
成果を理由にするときは数字を先に書く
成果を理由に単価を相談するときは、依頼の文より先に数字を書きます。
金額の話から始めると条件の交渉に見えますが、数字が先にあれば相手は判断の材料から読み進められます。
出す数字は職種によって違い、記事の本数や検索からの読まれ方、動画の公開本数、バナーの制作数などが使えるでしょう。
例文は以下のとおりです。
件名:担当記事の実績と単価についてのご相談
◯◯様
いつもご依頼をいただきありがとうございます。◯◯です。
昨年◯月から担当している記事が◯本になり、そのうち◯本が検索結果の1ページ目に入りました。
お問い合わせページへの流入も増えていると伺っております。
つきましては、次回の依頼分から1本あたり◯◯円へ単価を見直していただけないでしょうか。
執筆の体制と納期は現在のまま対応いたしますので、ご検討いただけますと幸いです。
(署名)
数字は自分で集計したものでかまいません。
相手が社内で共有しやすいようにまとめておくと、確認のやり取りが短く済むでしょう。
業務量が増えたときは増加分の作業を書き出す
契約したときにはなかった作業を書き出すと、今引き受けている範囲が相手にも見えます。
発注側が目にするのは納品されたものだけなので、作業が少しずつ増えた経緯までは把握していない場合もあります。
動画編集の案件を例にした文面は以下のとおりです。
件名:担当範囲の変更と単価についてのご相談
◯◯様
お世話になっております。◯◯です。
ご依頼を開始した◯月の時点では動画の編集のみを担当しておりましたが、現在はサムネイルの作成・字幕の挿入・公開作業まで対応しております。
1本あたりの作業時間も◯時間ほど増えている状況です。
現在の範囲に合わせて、1本◯◯円への見直しをご相談させていただけないでしょうか。
編集のみを担当する範囲に戻すご調整でもかまいませんので、ご都合に合わせてご検討ください。
(署名)
作業名は相手の社内で使われている呼び方に合わせると、どの工程が増えたのかが伝わります。
増えた分だけを相談の対象にすると、文面を長くせずに伝えられます。
契約更新のときは次期の条件として切り出す
契約更新の相談は、今の契約への不満ではなく次の期間の条件として書きます。
更新の時期は相手も条件を見直す前提で進めているため、単価の相談が話題として収まりやすいです。
更新の相談を伝える例文は以下のとおりです。
件名:◯月からの契約更新についてのご相談
◯◯様
◯月末で契約期間が満了となりますので、次期の条件についてご相談させてください。
この1年間は月◯本のペースで納品し、修正の回数も◯回以内に収まっております。
次期は1本あたり◯◯円でお引き受けしたいと考えております。
納品のペースと連絡の方法は現在のまま継続いたします。
更新のお手続きに合わせて、一度お考えを聞かせていただけますと助かります。
(署名)
件名に更新の予定が入っていると、相手も社内で回覧しやすくなります。
継続する部分を先に書いてから条件の相談へ移ると、関係を続けたい気持ちも伝わります。
相場との差を伝えるときは他社名を出さない
他社の名前や金額は書かずに伝えるほうが、相場との差は受け取ってもらいやすいでしょう。
「他社では◯◯円でした」と書くと、条件を比べたうえでの要求として読まれやすいです。
同じ内容の仕事で目にする水準にふれたうえで、自分の稼働と成果を軸に書けば、他社と比べる話にはなりません。
他社名を出さずに書いた例文を以下にまとめました。
件名:担当しているバナー制作の単価についてのご相談
◯◯様
◯◯の件でご相談があり、ご連絡いたしました。
現在担当しているバナーは、1枚あたり◯時間ほどかけて制作しております。
同じ内容のデザイン業務で目にする水準と比べると、現在の単価は低い状況です。
制作時間と仕上がりを踏まえ、1枚◯◯円への見直しをご相談できないでしょうか。
月の制作枚数は現在のまま◯枚で対応いたします。
(署名)
金額の根拠に置くのは他社の単価ではなく、自分がかけている時間と納品物です。
社名が入っていない文面のほうが、相手も社内で説明しやすくなります。
経費が増えたときは上がった分を具体的に書く
経費が増えたときは、上がった費用を具体的に書いて相談します。
手元に残る額が減っている状況は、納品物が変わらない限り相手からは見えにくいです。
動画編集ソフトの月額や撮影に使う機材の買い替えなど、その案件のために払っている費用を挙げます。
文面の例は以下のとおりです。
件名:制作環境の費用と単価についてのご相談
◯◯様
先日は納品物をご確認いただきありがとうございました。
ご依頼いただいている動画の書き出しに使っているソフトの月額が、◯月から◯◯円ほど上がりました。
音声の収録に使う機材も買い替えが必要な状況です。
つきましては、1本あたり◯◯円への見直しをご相談させていただけないでしょうか。
納期と本数は現在の条件のまま進めさせていただきます。
(署名)
値上がりの通知が届いている場合は、その事実だけを書いて金額の根拠にします。
増えた費用がはっきりしていると文面も短く収まり、相手も確認しやすい相談になります。
フリーランスが単価交渉を断られたときの対処法
単価交渉を断られたあとにできる対処法は、以下のとおりです。
理由を聞いて次に交渉できる条件を確かめる
金額以外の条件で折り合いをつける
期限を決めて再交渉の約束を取りつける
継続案件を増やして1社への依存を減らす
単価が上がらない返事でも、予算の枠や決裁の都合で今回は通らなかっただけのケースもあります。
こちらも1つずつ解説します。
理由を聞いて次に交渉できる条件を確かめる
断られた理由は、そのまま次の交渉の材料になります。
予算の枠で止まっているのか、成果の伝え方が足りなかったのかで、次にそろえるものが決まります。
返信では相手を責める書き方を避け、次に向けた相談として聞くと答えてもらいやすいです。
例えば、以下のような質問であれば相手も答えやすいでしょう。
今回は予算の枠が理由なのか
どの業務を足せば見直せるか
成果のどこが伝わらなかったか
金額を決めるのはどの部署か
聞き出した条件から、次に何をそろえれば単価の相談を受けてもらえるかが見えてくるはずです。
金額以外の条件で折り合いをつける
金額が動かないときに条件のほうを見直すのも、断られたあとにできる対処法です。
単価は予算の枠に縛られていても、納期や作業の範囲は担当者の裁量で決められるケースもあります。
金額以外で相談できる条件を以下にまとめました。
折り合いの案 | 自分に返ってくるもの |
|---|---|
修正の回数を2回までにする | 差し戻しにかかる時間の削減 |
納期を3日ほど後ろへずらす | 他の案件を入れられる余裕 |
素材集めを作業の範囲から外す | 1本あたりの作業量の軽減 |
制作物への名前の掲載 | 次の案件で見せられる実績 |
同じ報酬でも作業が軽くなると、時間あたりの収入は上がります。
単価そのものが動かない時期は、条件のほうを動かせないかを相談してみてください。
期限を決めて再交渉の約束を取りつける
再交渉の時期は、断られた返事のやり取りの中で相手と一緒に決めておきましょう。
時期を決めずに引き下がると、また同じ単価のまま半年が過ぎてしまうこともあります。
自分から期日を切って返事を迫るのではなく、相手の予算の区切りに合わせて相談の時期を提案します。
約束に入れておきたい内容は以下の3つです。
次に相談する時期の目安
そのときに見てもらう成果
社内で予算が決まるタイミング
例えば「次の更新月にあらためてご相談させてください」と伝え、返信で了解をもらっておくと切り出しやすくなります。
お互いの了解として時期が残っていれば、断られた話をもう一度相談しやすいでしょう。
継続案件を増やして1社への依存を減らす
継続案件を増やしておくのも、断られたあとの備えになります。
取引先が1社だけだと、収入が増えるかは相手の予算の動き次第です。
継続案件の数による違いを以下にまとめました。
1社だけのとき | 複数社あるとき |
|---|---|
断られると収入が増えない | 他の案件で単価を上げられる |
相談できる相手が1社だけ | 案件ごとに条件を比べられる |
新規の営業から立て直す | 今の取引先への相談から動ける |
例えば、クラウドワークス アカデミーの卒業生で動画編集をしているさえさんには、継続して依頼をもらえるクライアントが4社ほどいるそうです。

さえさんは「今は新規の営業はほとんどしていません」と話しています。
継続して声をかけてもらえる相手が増えると、1社に断られてもあわてずに次の相談を進められます。
参考記事:動画編集の案件が取れない5つの原因と初心者向け受注5ステップ
交渉せずにフリーランスの単価を上げる方法
単価を上げる方法は、交渉だけではありません。
具体的には以下のような方法があります。
担当する業務を分解して単価を積み上げる
作業時間を短縮して時間あたりの収入を上げる
別分野の経験を掛け合わせて指名される
どれも相手に値上げを頼まずに、手元に入る金額を増やせる方法です。
交渉を切り出すのが難しいと感じている人は、3つの方法から試してみてください。
担当する業務を分解して単価を積み上げる
単価は、引き受けている仕事を工程ごとに分けて価格を付けると、交渉しなくても積み上がっていきます。
まとめて任せられる相手が見つかると、発注する側は人を探す手間が減り、追加の作業分の予算も出しやすくなるでしょう。
先ほど紹介したWebライターの佐藤さんは、新規の案件を提案するときに、リサーチ・構成・執筆・ワードプレス入稿と業務ごとに価格を設定しています。
佐藤さんが実際に使っていた単価は以下のとおりです。
業務 | 単価 |
|---|---|
リサーチ | 3,000円 |
構成 | 10,000円 |
執筆 | 1文字=1円 |
ワードプレス入稿 | 2,000円 |
この単価なら、5,000文字の記事1本で2万円の報酬になります。
工程ごとに金額が並んでいると、相手も引き受けてほしい範囲を選びやすくなります。
実際に「じゃあワードプレス入稿もお願いしたいです」と言われ、そのまま単価が上がったそうです。

販売スタッフとして働きながら副業ライターをしているフクダさんは、クラウドワークス アカデミーの卒業生です。
フクダさんは「ワードプレスが使えると、執筆だけでなく入稿まで担当できるので案件の単価が高くなりますし、案件数も多いと感じていました」と話しています。
参考記事:WordPress講座おすすめ7選|無料でワードプレスを学ぶ方法も解説
参考:フクダさんの卒業生インタビュー
職種ごとに、分解できる業務と単価の付け方を以下にまとめました。
分解した業務 | 単価の付け方 |
|---|---|
記事の入稿作業 | 執筆料とは別に1本あたりの作業料を加える |
動画のサムネイル作成 | 本編の編集料と分けて1枚あたりで見積もる |
動画の字幕入れ | 動画の尺に合わせて分単位で加算 |
デザインの素材選定 | 制作料に含めず作業時間で計算 |
規定の回数を超えた修正対応 | 1回あたりの金額を決めて請求 |
単価の積み上げは、今の案件で自分が手を動かしている作業を書き出すところから始めてみてください。
作業時間を短縮して時間あたりの収入を上げる
1本にかかる時間を縮めるのも、単価を変えずに収入を増やす方法です。
案件の報酬は1本いくらで決まるものが多く、作業が速くなるほど1時間あたりの手取りは増えていきます。
例えば、先に紹介した高千穂香織さんは、動画編集を始めたころ1本の作成に2時間半かかっていたそうです。
今では1本40分ぐらいまで時間を短縮できたと話しています。
前述の発注相場では、クラウドソーシングで受けるYouTube動画の編集は1本あたり8,000円からです。
仮に相場どおりの8,000円で受けた案件なら、作業時間の差は以下のようになります。
項目 | 計算 | 時間あたりの収入 |
|---|---|---|
1本2時間30分かかっていたころ | 8,000円÷2時間30分 | 3,200円 |
1本40分まで短縮したあと | 8,000円÷40分 | 12,000円 |
短縮で生まれた差 | 12,000円−3,200円 | 8,800円 |
※クラウドワークスの発注相場をもとにした試算で、システム利用料や経費は含めていません。
同じことは職種が変わっても起こります。

クラウドワークス アカデミーの卒業生で、副業でバナー制作をしている平野アンジュさんは「今ではバナー1枚20〜30分で作れるようになっています」と話しています。
作業の速さは自分で伸ばせるので、交渉のタイミングを待たずに収入を増やしやすい部分です。
参考記事:動画編集の「時間かかりすぎ」を解決!今すぐ試せる時短テクニック5選
別分野の経験を掛け合わせて指名される
別の分野で積んだ経験は、今の仕事と掛け合わせると指名で声がかかりやすくなります。
発注する側が扱うテーマに詳しい人を探しているとき、内容がわかる相手に任せたほうが確認のやり取りを減らせます。
先ほど紹介したminaさんは、年金や社会保険を解説する動画の案件で、手元にあったFPの資格をアピールしたそうです。
FPはファイナンシャルプランナーの略で、家計や保険、年金などお金の相談に応じる資格を指します。
あわせて「学び系の動画を作りたくて探していた」と熱意も伝え、採用につながっています。
職種をまたいだ掛け合わせの例を以下にまとめました。
掛け合わせの例 | 指名される場面 |
|---|---|
経理の実務 × 動画編集 | お金や制度を解説する動画の制作 |
介護の現場経験 × ライティング | 介護施設の求人記事や体験談の執筆 |
接客の経験 × デザイン | 店頭の販促物やバナーの制作 |
英語の読み書き × 動画編集 | 海外向けチャンネルの字幕入れ |
名指しで依頼が届く人は代わりを見つけにくいため、交渉を切り出さなくても単価が上がりやすくなります。
参考記事:Webライターに将来性はある?AI時代でも活躍できる8つのスキル
フリーランスが単価交渉でやってはいけないこと
単価交渉では、伝え方1つで話が前に進まなくなる場面があります。
長く続けていることを単価の理由にする
交渉が通らなければ辞めると匂わせる
相手の予算を考えずに金額を出す
どれも悪気なく出てしまう一言で、交渉に慣れていないうちは誰にでも起こりがちです。
3つの言い方をそれぞれ見ていきます。
長く続けていることを単価の理由にする
継続年数の長さは、相手にとって単価を上げる理由になりにくいです。
発注する側が見ているのは、期間の長さではなく、今の仕事で受け取っている成果の中身になります。
つい伝えがちな一言と、相手の受け取り方を以下にまとめました。
つい伝えがちな一言 | 相手の受け取り方 |
|---|---|
もう3年ほど続けているので | 期間の長さだけでは金額を判断できない |
長くお世話になっているので | 単価を上げる材料が見当たらない |
そろそろ単価を見直してほしい | 何を基準に見直すのかがわからない |
同じ3年でも、その間に増えた担当範囲や数字を添えると、相手は判断する材料を得られます。
例えば、最初は執筆だけだった仕事が、今は構成の作成と入稿まで広がっているのであれば、増えた範囲をそのまま書き出してみてください。
年数ではなく、その間に積み上げた成果と広がった担当範囲に言い換えて伝えましょう。
交渉が通らなければ辞めると匂わせる
条件が通らなければ辞めると受け取れる言い方をすると、相手は交渉ではなく契約を終える相談として扱います。
単価の見直しと契約を続けるかは、社内で相談する相手も進め方も違う話になります。
交渉の場で出やすい一言と、その受け取られ方は以下のとおりです。
つい伝えがちな一言 | 相手の受け取り方 |
|---|---|
難しければ今回で終わりにしたい | 単価ではなく契約終了の相談として扱われる |
他からも声をかけてもらっていて | 引き継ぎの検討が先に始まる |
この金額でないと続けられない | 交渉の余地がない通告に見える |
話が単価から契約の可否に移ると、金額の検討はいったん止まってしまうケースがあります。
伝えるのは、今の条件をどう変えたいかだけにとどめておきましょう。
今後の身の振り方はその場では持ち出さず、条件の相談として切り出すと、単価交渉を続けやすくなります。
相手の予算を考えずに金額を出す
発注する側には、使える予算の枠と、金額を承認する順序があります。
枠を大幅に上回る額をいきなり出すと、担当者はその場で答えられず、上長の判断を仰ぐことになります。
金額の出し方でつまずきやすい一言を以下にまとめました。
つい伝えがちな一言 | 相手の受け取り方 |
|---|---|
今の3倍の単価でお願いしたい | 予算の枠を超えて検討が止まる |
上げられるだけ上げてほしい | いくらなら通るかを相手が決めることになる |
キリのいい金額に変えてほしい | 作業量との対応が読み取れない |
まずは、今の予算をどのくらい動かせそうかを聞いてから、その幅に収まる額を出してみてください。
例えば、月ごとの発注額が決まっているのか、案件ごとに都度決めているのかがわかると、出す金額を調整できます。
相手の事情を確かめてから金額を出せば、単価交渉が検討の前で止まることもないでしょう。
フリーランスの単価交渉に関するよくある質問
最後に、フリーランスの単価交渉についてよくある質問をまとめました。
気になる質問から読んでみてください。
一度サインした契約でも単価を上げられる?
一度サインした契約でも、単価の相談はできます。
ただし、契約期間の途中か、更新のタイミングかで進め方が違います。
期間の途中で相談する場合は、取り決めたときより業務の範囲が広がっているなど、事情をあわせて伝えると相手も検討しやすいです。
更新のタイミングなら、次の期間の条件として出せるので、相手も社内で調整しやすくなります。
まずは契約書に書かれた業務の範囲と更新の条件を読み返してから、切り出し方を決めてみてください。
単価を上げたら手取りはどのくらい増える?
単価が月1万円上がると、手元に残る額は年9万円台が目安です。
上がった分には所得税と住民税がかかるので、増えた金額がそのまま手取りになるわけではありません。
月1万円(年12万円)上がった場合の計算を以下にまとめました。
項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
単価の増加分 | 1万円×12ヶ月 | 12万円 |
所得税 | 12万円×10% | 12,000円 |
住民税の所得割 | 12万円×10% | 12,000円 |
手元に残る額 | 12万円−24,000円 | 96,000円 |
※課税される所得金額が195万円から329万9,000円の区分にあたり、増えた分に経費がかからない場合の目安です。税金だけを見た計算で、国民健康保険料は含めていません。
区分が変われば所得税の税率も上下します。
この他に基準所得税額の2.1%の復興特別所得税がかかり、国民健康保険料も所得に応じて増えます。
復興特別所得税は令和9年1月1日以後の所得から1.1%に下がり、新たに防衛特別所得税1%が加わりますが、合わせた税率は2.1%のまま変わりません。
参考記事:業務委託は扶養の壁がちがう?|パートとの掛け持ちはいくらまで働けるか【2026年版】
参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」/総務省「個人住民税」
税額はおおよその目安ですが、1回の交渉で上げた単価は、契約が続くかぎり毎月積み上がっていくでしょう。
副業でも単価交渉していい?
副業として受けている仕事でも、単価交渉してかまいません。
発注する側から見れば、副業か専業かにかかわらず、納品物と報酬を取り決めた取引の相手です。
ただし、副業だと稼働できる時間が限られるので、引き受けられる本数や納期の条件を先に伝えてから相談すると、話を進めやすくなります。
例えば平日の夜と週末で月4本が上限なら、その本数を前提にした単価を提示することになります。
副業だからと遠慮せず、引き受けている範囲に見合う単価を相談してみてください。
報酬を一方的に下げられたらどうする?
減額の経緯を記録に残したうえで、公的な相談窓口に連絡する方法もあります。
業務委託のときに定めた報酬を、フリーランスに責任がないのにあとから減らす行為は、法律で禁止されています。
前述のとおり令和6年11月1日に施行された、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(通称はフリーランス・事業者間取引適正化等法)が根拠です。
公正取引委員会のパンフレット15ページには、協賛金の徴収や原材料価格の下落など、名目や方法にかかわらず減額が禁止されると書かれています。

同じパンフレットの14ページでは、フリーランスの了解を得ていた場合でも違反にあたるとされています。
7つの禁止行為の対象になるのは、従業員を使用している個人や、役員が2人以上いるか従業員を使用している法人が、1ヶ月以上の業務委託をしている場合です。
契約の更新によって通算で1ヶ月以上になるものも含まれます。
報酬を一方的に下げると言われたときにやることを、以下にまとめました。
減額の連絡と当初の取り決めを保存
担当者を責めずに事実だけを確認
フリーランス・トラブル110番へ相談
フリーランス・トラブル110番は、厚生労働省の委託事業として第二東京弁護士会が運営している窓口です。
電話は0120-532-110で、受付時間は9時30分〜16時30分(土日祝日を除く)です。
相談も和解あっせんの手続きも無料で、匿名でも相談できます。
自分の契約が禁止行為の対象にあたるか迷うときも、窓口で事情を聞いてもらえます。
出典:フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット 15ページ/同 14ページ/フリーランス・トラブル110番
クラウドソーシング経由でも単価交渉できる?
クラウドソーシング経由の仕事でも、単価の交渉は可能です。
継続して依頼を受けているときや、契約を更新するタイミングで相談するのが基本です。
例えば毎月続けて同じ発注者から依頼を受けているなら、次の月の分から条件を見直せないか聞いてみてください。
希望額を伝えるときは、前述のシステム利用料が引かれる分も見込んで決めておくと安心です。
まとめ|実績を数字で伝えて単価交渉を切り出そう
さっそく、単価交渉の準備を始めていきましょう。
単価を上げるためにやることは以下のとおりです。
成果を数値にして一覧にまとめる
職種の相場を調べて下限の単価を決める
相手にも見直す理由がある時期に切り出す
要求ではなく提案として文面で伝える
断られたら次に相談する時期を決める
単価の話は、相手との関係を壊すものではありません。
公正取引委員会の資料にも、報酬の額はフリーランスと協議して定めるものだと書かれています。
まずは、これまでの納品数と成果を書き出すところから始めてみてください。
手元に材料がそろっていれば、次の契約更新のときには落ち着いて切り出せます。
この記事が、あなたの単価アップのきっかけになればうれしいです!


